原因と経過
妊娠に伴うホルモンの増加により、腸の蠕動運動が減少し排便が遅延が起こります。
さらに、子宮が大きくなると腸管を圧迫する、妊娠すると運動不足になりがちなどによって便秘が起こります。
排便の遅延は、腸壁からの水分の再吸収が増し、便秘となる。
また、妊娠初期ではつわりにより食事の摂取量が少ない、水分の摂取が少ないなどにより脱水傾向となり便秘となります。
妊娠中は運動不足になりがちで腸の働きがにぶくなります。
中には流産や早産の心配で十分力むことができず便秘になる方もいます。
症状と症状を悪化させる因子
妊娠初期や妊娠後期に起こりやすく、便秘に伴い食欲不振、腹部膨満などが起こります。
症状を悪化させるもの
・非妊時からの便秘傾向
・妊娠してから規則的な便通がない
・食物繊維の摂取不足
・水分摂取不足
・妊娠による運動不足
・精神的ストレス
アドバイス
・一日三食きちんと摂るよう心がけましょう（つわりの場合はおさまってから）
・朝食後の排便習慣をつけましょう
・食物繊維の多い食品をこころがけて摂りましょう
・水分を心がけて摂りましょう
・十分な睡眠をとりましょう
・便意をがまんしないよう心がけましょう
・適度な運動をおこないましょう（流早産傾向がある場合は医師の許可を得てください）
・便秘の改善がみられない場合は医師に相談しましょう。
気をつけて！
妊娠中は子宮に圧迫さえて肛門周囲の血行がわるく、うっ血状態にあります。
便が長い間腸の中にあって、かたくなると強くりきむことになり、その結果痔や切れて出血することがあります。
どうしても出ない場合は、医師に相談しましょう。
強すぎる便秘薬や浣腸などを使用すると、子宮の収縮を招き流産や早産につながることもあります。
自己判断で市販の薬を使用したり、妊娠前にもらってあった薬を服用したりしないよう注意しましょう。
