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妊娠に伴う血液の変化

妊産婦さんはいくつか特徴的な血液性状の変化がみられます。
妊娠中は循環血液総量が非妊時よりおよそ40%増加します。
血球成分の増加によりも血漿成分の増加が著しいため、妊婦さんは生理的な水血症といえます。
循環血液量が増加するということは、胎盤循環を保つためには合目的です。このため妊婦さんは心血管、腎血流なども変化しています。
また、妊婦に特徴的な血液性状の変化としては、血液凝固の亢進があります。

妊娠に伴う血液の変化赤血球数、ヘモグロビン濃度などの変化
妊娠中期では、赤血球量の増加に比べて血漿量の増加が著しいため、一般に見かけ上の貧血の傾向をしめします。
WHOの報告により、妊婦さんのヘモグロビン値は11.0/dl未満を貧血と診断され、治療がおこなわれます。
しかし、母体の血液の状態が水血症であることは胎児に有利な因子の一つとも考えられています。
妊娠初期・中期・末期各時期におけるHb(ヘモグロビン)、Ht(ヘマトクリット)は、中期より低下傾向にあり、ほぼその値が持続します。l
赤血球は妊娠初期より単位体積中では減少がみられ、妊娠第6月に最低値を示し、それ以降ほぼ同様の値で推移します。

妊娠に伴う血液の変化白血球の変化
白血球数は、妊娠時には徐々に増加し、非妊時の平均7000/mm3から妊娠末期には平均10500/mm3となります。
分娩時には白血球はさらに急増し、20000〜30000/mm3あるいはそれ以上になることもあります。
著しく増加した白血球数は、分娩後は減少し、産褥6週でほぼ妊娠前の値に戻ります。

妊娠に伴う血液の変化血小板の変化
妊娠中の血小板数はとくに変化はみられません。

妊娠に伴う血液の変化血漿組成の変化
○総蛋白
総蛋白濃度は、妊娠初期は主としてアルブミンの減少を反映して低下します。妊娠7〜8ヵ月で最低値となった後αおよびβグロブリンの著しい増加のため、再び回復に向かう傾向をしめします。
○アルブミン
アルブミンはは、総血漿蛋白の約60%を占めており、妊娠の進行とともに減少します。
○グロブリン
αおよびβグロブリンは妊娠中増加を認めます。
免疫グロブリンについては、IgGは妊娠後期から減少し、産褥初期に最低値を占めします。
IgAも同様の傾向を示し、IgMは妊娠初期から中期にかけて高値となり、産褥期にも高値を示します。
IgGは胎盤を通過するため、臍帯血中に多量に存在します。
○脂質
血清の脂質各分画は妊娠中期以降著しい増加を示します。

妊娠に伴う血液の変化血液凝固因子
妊娠時はほとんどすべての凝固因子の増加がみられ、凝固系の亢進、腺溶抑制状態となります。
妊娠期間を通じて肝臓での各種凝固因子産生は亢進します。また、プロテインCやプロテインSといった代表的な抗凝固蛋白の活性も低下します。凝固の反作用である線溶も妊娠中は低下します。
つまり、母体は分娩という常に出血を伴い、場合によっては大出血のリスクがあるイベントに対し、血液凝固を亢進させて準備しているといえます。この血液の亢進した状態が分娩後、続きます。個人差はありますが、およそ4週間くらいで非妊時に戻ると考えられています。

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