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妊娠に伴う自律神経系の変化

妊娠に伴う自律神経系の変化自律神経系とは
筋肉の随意運動や知覚は体性神経の働きによるものです。一方、自律神経は各臓器の不随意運動を維持し、体を恒常状態に保つ役割を果たしています。
自律神経の種類には、交感神経と副交感神経系があります。
交感神経作用は緊急避難時向きの作用で、生態防御反応といえます。一方、副交感神経作用は平穏時向きで、体のエネルギーを保存維持するように働きます。両者は互いに拮抗しながら生体の恒常性を調節、維持しています。

妊娠に伴う自律神経系の変化心機能に対する自律神経系の変化
心拍は1拍ごとに変動し、心拍リズムには通常ゆらぎ(変動)があります。妊娠中には交感神経緊張が副交感神経緊張より優位となり、一般的には心拍数数は増加し、心拍変動は減少します。
血圧が低下すると交感神経の活動が亢進し、心拍数を増加させるフィードバックシステムが作動するが、妊娠中期には血圧低下に対する心拍増加反応は減弱しているといわれます。しかし、妊娠末期には非妊婦と同様の反応を示すようになります。
妊娠中の心自律神経系反応は交感神経系、副交感神経系とも減弱するが、副交感神経の減弱がより有意であるため、交感神経系が相対的に優位となると考えられています。この変化は妊娠中期に最も顕著であるが、妊娠後期には反応性はいくぶん回復し、心循環系機能は比較的安定してくると考えれています。

妊娠に伴う自律神経系の変化血管系に対する自律神経系の変化
血管筋に対して交感神経は収縮に、副交感神経は拡張に作用し、交感神経と副交感神経の緊張の均衡は血圧調整の重要な因子だといえます。
正常妊娠中には収縮期血圧の有意な変化はないが、拡張期血圧は有意に低下し、末梢血管抵抗は減少しており、このことは末梢血管の交感神経緊張の低下が推察されます。
非妊時には、起立すると心拍数増加、心拍変動減少などがみられますが、これらの変化は、交感神経活動の亢進を示し、起立によって生じた血圧低下は末梢血管の収縮によって回復します。
しかし、妊娠中は起立後の血中ノルエピネフリンの増加反応や末梢血管収縮も減弱しており、起立時の交感神経の反応は低下している。さらに、妊婦は昇圧剤の投与など、昇圧刺激に対する血管の反応も減弱しているといわれています。

妊娠に伴う自律神経系の変化唾液および消化管ホルモン分泌とつわりとの関連
つわり時には唾液分泌が亢進することが知られていますが、唾液分泌は副交感神経の支配で、この現象は妊娠初期の唾液腺副交感神経系の緊張亢進によると従来より考えられていますが、つわりの減弱と全身の自律神経緊張度間には相関は認められてはいません。

妊娠に伴う自律神経系の変化子宮収縮との関連
エピネフリンは子宮筋を介して収縮抑制に作用し、ノルエピネフリンは子宮収縮を増強させる働きがあります。
不安などの精神的ストレスはエピネフリンが、運動などの肉体的ストレスではおもにノルエピネフリンが分泌されます。このことから妊産婦のストレスは子宮収縮に深く関わっていると考えられています。
臨床では、分娩に恐怖や不安を感じている産婦に陣痛微弱や分娩の遷延を認めることが多くl、また、妊娠末期には十分身体を動かすと陣痛が起こりやすくなることがあり、これらのことは交感神経ー副交感神経系から分泌されるカテコラミンが関与していると推察されています。

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