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卵巣腫瘍合併妊娠

卵巣のしくみとはたらき

卵巣腫瘍合併妊娠卵巣の構造
子宮の両わきにある一対の臓器で、卵管に抱えられるように存在し、大きさは3〜4cmで楕円球状形です。
卵巣は大骨盤と小骨盤の境よりやや下あたりに位置し、骨盤内で卵巣提索と固有卵巣索という結合組織線維索で固定されています。
卵巣の中には、卵子のもとである原始卵胞が数百万個あります。
卵巣腫瘍合併妊娠卵管
卵管は長さ約10cm、細長い管状の組織で、先端にはイソギンチャクの触手のような卵管采という組織があり、卵巣から排卵によって放出される卵を卵管内へ誘導する働きを持っています。
卵巣腫瘍合併妊娠卵巣の機能
卵巣には、卵子のもとである原始卵胞が数百万個存在し、思春期になると原始卵胞は成熟卵胞となって、1カ月に1個ずつ(まれに数個)卵子を排出します。これが、排卵です。
また、その他にも、卵胞ホルモンや黄体ホルモンを生産して分泌する働きも持っています。
卵巣は発生の途中で左右のミューラー管が融合不全を起こすことで生じ、その程度により種々の奇形が生じます。

卵巣のさまざまな病気

卵巣腫瘍合併妊娠分類
卵巣にはさまざまな腫瘍ができ、大きく分けると嚢胞性腫瘍(卵巣嚢腫)と、充実性腫瘍の2つに分類することができます。
また、卵巣腫瘍は臨床経過に応じて、良性、悪性、境界悪性の3群に分類されます。
卵巣の腫瘍のうち約9割が卵巣嚢腫で残りの1割が充実性腫瘍で、一般的に、嚢胞性腫瘍は臨床経過としては良性のことが多く、充実性腫瘍は約75〜80%程度が悪性もしくは境界悪性腫瘍です
卵巣嚢腫は、「皮様のう腫」、「偽ムチンのう腫」、「しょう液性のう腫」の3種類があります。

良性卵巣腫瘍

卵巣腫瘍の80%が良性腫瘍で、そのうち頻度が高いのは表層上皮・間質腫瘍の漿液性嚢胞腺腫、粘液性嚢胞腺腫、胚細胞性腫瘍の類皮嚢胞腫の3つです。

卵巣腫瘍合併妊娠漿液性嚢胞腺腫
袋の中にさらさらの液体が貯まったような嚢腫で、全卵巣腫瘍の15-25%を占め、広い年齢分布を示しますが、ピークは30才台-40才台で、12-50%が両側卵巣に存在します。
卵巣腫瘍合併妊娠粘液性嚢胞腺腫
袋の中に水あめの様な粘調な液体が貯まった嚢腫です。全卵巣腫瘍の16-30%にみられます。30-40才台にもっとも多くみられますが、閉経後にみられるのは10%以下にすぎません。平均の直径が10-30cmと漿液性腫瘍より大きく、妊娠末期の子宮と同じような大きさになることがありますが、両側に発生するのはきわめて稀とされています。
卵巣腫瘍合併妊娠類皮嚢胞腫(皮様嚢腫)
原始胚細胞(卵のもとになる細胞)から発生したと考えられる腫瘍で、全卵巣腫瘍の18-25%を占めます。あらゆる年齢の女性にみられますが、ピークは20−40歳で妊娠中に発見されることも少なくありません。大きさは直径5-10cmのものが多く、10-15%が両側性です。腫瘍の内容は卵のもとになる細胞から発生することを反映して体の中に存在するすべての成分が存在する可能性がありますが、多いのは脂肪、髪の毛、歯、皮膚や肺に似た細胞などです。
卵巣腫瘍合併妊娠その他の良性卵巣腫瘍
間質性腫瘍の線維腫、性索間質性腫瘍の莢膜細胞腫が頻度の高い腫瘍です。この2つは両方の成分を持ち、線維莢膜細胞腫という形で存在することが少なくありません。時として腹水だけでなく、胸水を伴い呼吸困難の原因となります。また、莢膜細胞腫ではホルモンを作ることがあり、月経の異常や閉経後の出血の原因になることがあります。

悪性卵巣腫瘍

卵巣腫瘍合併妊娠T期
腫瘍が卵巣内に限局しているものをいいます。
 Ta期:片側卵巣に限局
 Tb期:両側卵巣に限局
 Tc期:卵巣表面に浸潤,皮膜破綻,腹水または腹腔洗浄細胞診にて陽性
卵巣腫瘍合併妊娠U期
腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤内への進展を認めるものをいいます。
 Ua期:子宮,卵管に及ぶ
 Ub期:他の骨盤内組織に及ぶ
 Uc期:卵巣表面に浸潤,皮膜破綻,腹水または腹腔洗浄細胞診にて陽性
卵巣腫瘍合併妊娠V期
腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤外の腹壁播種ならびに/あるいは後腹壁または、鼠径部のリンパ節転移を認めるもの。または腫瘍は小骨盤に限局しているが小腸や大網に組織学的転移を認めるものや肝表面への転移を認められるものをいいます。
 Va期:腹膜面に顕微鏡的播種病巣が存在
 Vb期:腹膜面に2cm以下の播種病巣が存在
 Vc期:腹膜面に2cmを超える播種病巣,後腹膜・鼠径リンパ節に転移
卵巣腫瘍合併妊娠W期
腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、遠隔転移を伴うものをいいます。
隔転移,肝実質転移,胸水の細胞診陽性

妊娠と卵巣腫瘍

卵巣腫瘍合併妊娠割合
妊娠と卵巣腫瘍が合併するのは、全妊娠中0.5%で、このうち悪性腫瘍は5%未満です。
妊娠と合併する卵巣腫瘍のうち、成熟嚢胞性奇形腫が最も多いとされています。

妊娠中の管理・治療方針

卵巣の腫大がみつかった場合、内部の性状およびサイズによって管理・治療方針が決定されます。
原則として卵巣摘出手術は早くても妊娠14〜15週、世界的なスタンダードとしては妊娠16〜20週以降に行われます。これは、胎盤形成や胎児の器官形成にあたる時期(妊娠10〜12週)での手術は胎児への影響が否定できないことと、ルテイン嚢胞との鑑別(妊娠14週)が必要となることを考慮しているためです。
ただし、卵巣の茎捻転や腫瘍破裂が起こった場合は妊娠週数に関係なく手術の適応となります。

【治療方針の流れ】
@超音波検査により嚢胞性か充実性かの鑑別が行われます。
卵巣腫瘍合併妊娠嚢胞性の場合
・5cm以下の場合、妊娠14週まで経過観察が行われます。
卵巣腫大が良性のルテイン嚢胞によるものであれば妊娠14週頃までに退縮し、卵巣腫瘍であれば妊娠15週以降も退縮しないため待機し鑑別がおこなわれます。
・5〜10cmの場合、妊娠10〜12週までに経過観察が手術か決定されます。
・10cm以上の場合は妊娠10〜12週まで経過観察が行われ手術が決定されます。
妊娠維持に不可欠なrプロゲステロンは妊娠10週頃まで卵巣内の妊娠黄体から産生されるため、この時期までは卵巣を摘出できません。妊娠10週以降に胎盤が完成すると、胎盤で産生されるようになります。
卵巣腫瘍合併妊娠充実性の場合
・5cm以下の場合、妊娠10〜12週まで経過観察できるものはどうか決定されます。
・5cm以上の場合、妊娠10〜12週までまって手術が決定されます。
妊娠10〜12週頃までは胎児の器官形成期であるため、手術には麻酔薬などの投与が必要であり、これらは催奇形性を否定できないため、基本的には少なくとも妊娠12週までは手術を控えることが望ましい。

卵巣のさまざまな病気

卵巣腫瘍合併妊娠分類
卵巣にはさまざまな腫瘍ができ、大きく分けると嚢胞性腫瘍(卵巣嚢腫)と、充実性腫瘍の2つに分類することができます。
また、卵巣腫瘍は


卵巣のさまざまな病気

卵巣腫瘍合併妊娠分類
卵巣にはさまざまな腫瘍ができ、大きく分けると嚢胞性腫瘍(卵巣嚢腫)と、充実性腫瘍の2つに分類することができます。
また、卵巣腫瘍は

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