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甲状腺疾患合併妊娠

妊娠にともな甲状腺ホルモンの変化

甲状腺疾患合併妊娠下垂体甲状腺刺激ホルモン(TSH)
下垂体甲状腺刺激ホルモン(TSH)の基本的分泌は妊娠経過に伴う変動はほとんどなく、非妊時の正常範囲内からやや高めのレベルとなります。
下垂体甲状腺刺激ホルモン(TSH)に対する下垂体の反応性にも変化は認められないか、妊娠末期においてやや低下する程度でです。

甲状腺疾患合併妊娠甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモン(T・T)は間脳ー下垂体ー甲状腺系で調整されています。
妊娠時は胎盤から分泌されるhCT(human chorionic thyrotropin)が甲状腺刺激作用をもち、非妊時の調節機構に修飾が加わるが、正常妊娠では血中遊離型甲状腺ホルモンのわずかな変動がみられるにすぎません。
hCT(human chorionic thyrotropin)にも甲状腺刺激作用が認められますが、その作用は弱い。
妊娠により血中総T・T濃度は初期から増加し、末期まで高値となります。これは、胎盤からのエストロゲンにより、肝臓で産生されるサイロキシン結合グロブリ(TGB)が非妊時の2倍まで上昇するために、結合型甲状腺ホルモンが増加するためです。
遊離型T・T濃度は妊娠初期に増加し、その後漸減し、非妊時と同程度かやや低値にとどまります。

分娩後の甲状腺ホルモンの変化

甲状腺疾患合併妊娠下垂体甲状腺刺激ホルモン(TSH)
下垂体甲状腺刺激ホルモン(TSH)の基本的分泌は妊娠経過に伴う変動はほとんどなく、非妊時の正常範囲内からやや高めのレベルとなります。
下垂体甲状腺刺激ホルモン(TSH)に対する下垂体の反応性にも変化は認められないか、妊娠末期においてやや低下する程度でです。

甲状腺機能亢進症の妊娠への影響

甲状腺疾患合併妊娠甲状腺機能亢進症
妊娠時に甲状腺機能亢進症を合併する頻度は0.2〜0.3%と比較的高く、その多くはバセドウ病です。
これは自己免疫疾患で、血液中の甲状腺刺激抗体によって生じます。
妊娠初期には一過性の増悪、妊娠末期には軽快、分娩後には増悪する傾向にあります。
臨床症状としては、一般の妊婦においても頻脈、暖かい皮膚、収縮期心雑音、易発汗性などの甲状腺機能亢進症の症状と共通する症状がみられます。

甲状腺疾患合併妊娠甲状腺機能亢進症の妊娠への影響
適切な治療がなされていない場合、早産や死産、妊娠高血圧腎症(以前の妊娠中毒症)、子宮内胎児発育遅延(IUGRと略します)などのリスクが高くなります。
また、生まれた赤ちゃんに甲状腺機能亢進症がおこることもあります。
治療は、l抗甲状腺剤の内服を行います。
妊娠中期には生理的変化により一時的に疾患が改善したかのようになりますが、分娩後に再び悪化することが多いです。また、分娩時などに高度の甲状腺中毒状態になることがあるので注意が必要です。
甲状腺機能亢進症の薬は、通常量では影響しないとされています。

甲状腺疾患合併妊娠妊娠中の甲状腺機能亢進症の経過
○妊娠初期
妊娠が成立し、胎盤から刺激ホルモンが分布されます。刺激ホルモンは甲状腺刺激作用があるため、甲状腺ホルモンの分泌が増加することがあるため、甲状腺機能亢進症が増悪傾向にあることがあります。
しかし、妊娠の進行とともに刺激ホルモンの分泌は減少し、症状の悪化はおさまります。

○妊娠後期
甲状腺機能亢進症は、妊娠が進むと軽減することが多く、薬の量が減量されたり、中止されることがあります。
一般的には、症状の急激な悪化がおこることはないのですが、状態が悪い場合は分娩時に甲状腺クリーゼが起こることがり注意が必要です。

甲状腺機能低下症の妊娠への影響

甲状腺疾患合併妊娠甲状腺機能低下症
頻度は0.11?0.16%であり,原因として自己免疫疾患である橋本病が多く、ついで甲状腺亜全摘後の機能低下症があります。橋本病は自己免疫疾患であり、バセドウ病と同様に妊娠中に寛解し出産後増悪することが多いことがわかっています。
甲状腺機能低下症は、橋本病などの自己免疫疾患あるいは放射性ヨードや手術による甲状腺組織の破壊などによってみられます。
症状としては、疲労感、脱毛、乾燥皮膚、便秘、浮腫、体重増加、嗄声、徐脈などがあります。甲状腺腫は、ある場合とない場合があります。

甲状腺疾患合併妊娠甲状腺機能低下症の妊娠に与える影響
甲状腺機能低下症の妊娠に与える影響としては、従来から流早死産や先天奇形などの頻度が上昇するといわれていますが、そのような合併症がなかったという報告もあります。
軽症の機能低下症では、妊娠分娩に耐えられると考えれれます。
治療としては、T製剤がもちいられ、TSHの値を指標に投与量を調節されます。
母体にTRAbが存在する場合は、新生児甲状腺機能低下症の可能性があり、対処されます。

甲状腺機能低下症の薬(チラージンS)は、影響せず、授乳を控える理由はありません。

甲状腺疾患と新生児

甲状腺疾患合併妊娠新生児バセドウ病 (新生児一過性甲状腺機能亢進症)
バセドウ病に雁患した母親から経胎盤的に新生児に移行したTRAbによって発症します。
○症状
移行した、TRAbが70から80%以上の高値の時に発症します。発症はバセドウ病の母体の1〜2%程度です。
一過性甲状腺機能亢進症状では頻脈、発汗、多呼吸、振戦、易刺激性、眼球突出、甲状腺腫、心不全、多軌下痢などの症状が出現します。
○検査
母体と新生児の血中TRAb
新生児血中TRAbは母体の値と良く相関しますしたがって周産期に母体のTRAbを測定すると新生児が機能亢進をきたす可能性を予測できます。
新生児が機能亢進をきたすのはTRAbが70%以上り時で、未熟児ではより低値でも発症することがあります。
TRAbは生後2カ月頃には正常となります。
新生児が機能亢進とならなかった程度の値では早期に陰性化します。
○新生児血中TSHとFT4の変動
症状を呈する時には臍帯血あるいは新生児血中TSHは感度以下です。
母親が抗甲状腺剤を4〜6綻服用していると高TSHとなり、その場合でも生後7日頃には正常となります。
FT4は生後7〜10日頃に正常のまま経過するものと高値となる例とがあります

甲状腺疾患合併妊娠新生児一過性甲状腺機能低下症
バセドウ病とは異なり甲状腺機能抑制活性を有するTRAbにより、新生児の甲状腺が抑制され、機能低下をきたします。
母親は甲状腺薬を服用しなければ慢性甲状腺炎のために甲状腺機能低下症となります。抗体が高値の時に発症する。
○症状
一過性甲状腺機能低下症では黄垣の遷延,活動力の低下などの先天性甲状腺機能低下症でみられると同様に非特異的症状です。
○検査
血中TRAbの変動は機能冗進症と同様です。
○診断
新生児一過性甲状腺機能低下症では母親が甲状腺機能低下症で甲状腺ホルモンを服用し、TRAbが高値であることから診断は容易です。

甲状腺疾患と授乳

甲状腺疾患合併妊娠甲状腺機能亢進症治療薬
バセドウ病の薬のうち、チウラジールとプロパジールは、たくんさん飲んでいるときでも授乳は安全です。メルカゾールは母乳にでてくる量がこれれより多いので、赤ちゃんの甲状腺が影響を受ける可能性もあります。そこで、授乳を希望される場合は、チウラジールかプロパジールにしておく方が便利です。メルカゾールは効き目がとてもよいので、この薬で治療する場合もありますから、ミルクも飲める赤ちゃんに育てておいた方が安心です。またメルカゾールを飲んでいても、服用量や授乳する時間によっては、問題なく授乳することができます。
母体血中TSHI受容体抗体(TRAb)が胎盤を通過し,一過性の新生児バセドウ病や甲状腺機能低下症を引き起こす。

甲状腺疾患合併妊娠甲状腺機能低下症治療薬
甲状腺機能低下症の治療薬である甲状腺ホルモン(一般名:サイロシキン、商品名:チラーヂンS)は、甲状腺で作られているホルモンと同じです。
服用しながらの授乳は問題はありません。

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