【臍帯巻絡とは】
臍帯が胎児の頚部、体幹、四肢などに1回から数回巻きつけているものを臍帯巻絡といいます。
【臍帯巻絡の原因】
@臍帯の過長
A胎児の活発な運動
【臍帯巻絡の頻度】
全分娩の20〜25%にみられます。
【臍帯巻絡の影響】
母体への影響
@児頭の下降が困難で分娩が遷延する。
A臍帯の断裂
B胎盤の剥離
C子宮の内反
D持続性微弱陣痛
児への影響
@反屈位、横位となりやすい。
A児頭の骨盤内回旋が妨げられる。
B巻絡が強いと血管の循環障害による窒息が起こることがある。
【臍帯巻絡の診断】
@胎児の頸部のあたりに臍帯雑音が聴かれる。
A他に原因がないのに児頭の下降が遅れる。
B胎児心拍モニター所見で一過性徐脈が見られる。
C胎児娩出後に確定診断ができる。
補)
過長臍帯…臍帯の長さが70p以上のもので、臍帯が結ばってしまう臍帯結節、臍帯巻絡、臍帯下垂・臍帯脱出などの原因となる。
過短臍帯…臍帯の長さが25p以下のもので、胎児の下降不全による遷延分娩、常位胎盤早期剥離、子宮内はなどの原因とある。