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常位胎盤早期剥離

【常位胎盤早期剥離とは】
妊娠後半期に、正常位置に付着している胎盤が、妊娠中または分娩中に胎児の娩出に先立って剥離するものを常位胎盤早期剥離といいます。

【常位胎盤早期剥離の発生頻度】
全分娩の0.3〜0.9%程度

【常位胎盤早期剥離の発症誘因
常位胎盤早期剥離の直接の原因は解明されていませんが、発症誘因として下記の要因が挙げられます。
@妊娠高血圧症候群…母体から胎盤へ入る血管の形成不全や血管連縮によって、胎盤の虚血状態が引き起こされやすいため。
A常位胎盤早期剥離の既往…次回妊娠での再発率が5〜15%ともいわれています(既往がない例の約10倍)
B絨毛膜羊膜炎…感染によって胎盤付着部位が剥離しやすくなるため
C胎児奇形…胎盤の形成異常を伴いやすい
D重症のIUGR…妊娠高血圧症候群と類似した病態が原因と考えられるため
E急激な子宮内圧の減少…羊水過多による前期破水が合併した場合、急激な子宮内圧の減少によって、胎盤が剥離するため
F子宮筋腫…子宮胎盤循環障害をきたしやすい
G喫煙…プロスタグランディンL2産生抑制、胎盤血管の攣縮をきたすため
H薬物…コカインによる胎盤血管攣縮とこれに伴う胎盤の循環不全が起こる。
I腹部の打撲、捻転、外回転術、墜落、嘔吐、咳嗽による急な腹圧、、遅延破水による牽引、子宮内圧の急激な減少などのための機械的作用など

【常位胎盤早期剥離の症状】
剥離の程度によって症状は変化します。
@突然の腹部の激痛から緊張性の鈍痛までさまざまであるが、剥離部痛がある、。
A胎動の減弱や消失
B内出血による急性貧血、ショック(顔面蒼白、チアノーゼ、冷汗、四肢の冷却、脈は微弱頻数、呼吸は切迫、あくび、悪心・嘔吐、胸内苦悶、失神など)
C外出血を伴う(陣痛間欠期に増量し、量はあまり多くない)
D急激な子宮底の上昇、子宮体の膨隆および圧痛、腹部の緊張
E胎児心音や胎動は腹部緊張のため聴取や蝕知が難しくなります。
F陣痛は不定
G高血圧、蛋白尿、浮腫を伴うことが多い。

【常位胎盤早期剥離の影響】
軽症では母児ともに問題はないが、重症では母体死亡率約10%、児死亡率60〜80%
@母体への影響…急性貧血、ショックからDIC
A児への影響…母体の状態の悪化に伴い、胎児機能不全、胎児死亡を起こすことがあります。

【常位胎盤早期剥離の診断】
子宮破裂、前置胎盤との鑑別が大切
@軽症では分娩後の胎盤所見で、胎盤に付着する黒色の血塊によって診断
A子宮底の急激な上昇、胎児心音消失、胎動消失、腹部激痛があれば重症で
B超音波断層撮影で胎盤が厚く、胎盤と子宮壁の間に血腫による映像が確認
C血液検査の結果において、フィフリノーゲン値の低下、血液凝固時間の延長

【常位胎盤早期剥離の治療】
@軽症で妊娠34週未満+胎児機能不全がない場合は厳重に監視の待機療法
A軽症で妊娠34週以降+胎児機能不全がない場合は子宮頚管熟化が良好であれば分娩誘発
B軽症で妊娠34週以降+胎児機能不全がある場合は帝王切開
C中等度で胎児機能不全がある場合は帝王切開
D中等度で胎児死亡の場合は経膣分娩
E重症で胎児死亡の場合では母体の条件により帝王切開か経膣分娩かが選択される。

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