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絶対に目を離さないで!浴槽用浮き輪で乳幼児の溺死も

◆2007年7月5日毎日新聞より
浴槽用浮輪を使用した乳児が、バランスを崩して浴槽内でおぼれ死亡する事故が起きていたことが分かった。
国民生活センターが5日、公表した。01〜06年、死亡には至らなかったが同様の事故が他に6件あった。うち1件は現在も意識不明の重体が続いており、同センターは「使用しないか、使用する場合は子どもから絶対に目を離さないで」と呼びかけている。
同センターによると、死亡したのは岡山県の生後10カ月の女児。
一緒に入浴していた母親が、もう一人の子どもの着替えをさせた後、風呂場に戻ると浮輪ごと転覆していた。重体は広島県の生後10カ月の男児で、母親が着替えている間に転覆しおぼれた。
他の事故は生後8カ月〜1歳11カ月の乳幼児で、呼吸が止まったケースもあるが、いずれも回復した。
浴槽用の浮輪は、首がすわったころから2歳半くらいまでが対象。
ビニール製の四角形が多く、ずれ落ちないようにパンツ型のシートが付いている。足を通し、座った状態で浮かせて使う。
同センターが、ベビー用品店などで購入した6種類の浴槽用浮輪を検証したところ、いずれも静かに浮かんでいれば安定しているが、身を乗り出すと、バランスが崩れ転覆。頭が下になって起きあがれず、おぼれることが分かった。6種類とも、日本玩具協会の安全基準に達したことを示すSTマークが付き、安定性や安全性を強調する記載もあった。
同センターは「尻と足を固定するのは安全のためなのに、転覆すると致命的な要因になっている」として、同協会に製品の見直しと、消費者への注意喚起を要望した。【大迫麻記子】

▽日本小児救急医学会理事長の市川光太郎・北九州市立八幡病院副院長の話 足を股(また)で固定するため、ひっくり返っても元に戻れない。はまったままで足が上に浮いて抜け出せない。発見が遅ければ完ぺきにおぼれる。使う必要はないと言いたい。

◆2007年6月15日毎日新聞より
風呂用浮き輪:乳児水死2件 目を離したすき、バランス崩す。
乳幼児の入浴用などとして販売されている浮輪を使った赤ちゃんが、バランスを崩して浴槽内でおぼれ、死亡したり脳死に至った事例が広島と岡山県で2件発生していることが分かった。親がいない間に起きており、救急手当てを担当した広島市民病院小児循環器科の中川直美医師(38)は「使用する際は絶対に目を離さないでほしい」と訴えている。鹿児島市で16日に開かれる日本小児救急医学会で発表する。

中川医師によると、乳幼児の浮輪はプールだけではなく、風呂用としてインターネットや子ども用品の量販店などで販売されている。浮輪には、頭や背中を支える部分やずれ落ちないようにパンツ型のシートが付いており、大きさは賃貸住宅などの浴槽にちょうどはまる程度という。
 浴槽でおぼれる事故は、広島と岡山県で02〜06年に3件発生。1件は軽症で済んだが、2件は死亡や脳死の事故だった。
岡山では、生後10カ月の双子の赤ちゃんと入浴していた母親が、1人の着替えを済ませて風呂場に戻るとバランスを崩しておぼれており、死亡したという。広島では、生後10カ月の赤ちゃんと風呂に入っていた母親が風呂から上がり、着替えを済ませて戻ると赤ちゃんが同様にひっくり返っておぼれており、脳死状態になった。
日本玩具協会(東京都)によると、販売数は不明というが、約5年前から人気が出始めた。しかし、消費者から危険性があるとの連絡があり、今年1月、各メーカー(約520社)に安全基準を満たしたSTマークの対象から外すと連絡したという。
中川医師は「赤ちゃんは頭が大きいので倒れやすいうえに、浮輪と浴槽の幅が同じくらいなので動きにくく、転倒すると起き上がれない。同種の事例はほとんど知られていないのが現状と思う」と注意を促している。【下原知広】 

◆国民生活センターからの注意の呼びかけ
小児科医より国民生活センターに、浴槽用浮き輪で乳幼児の溺水事故が起きている、との情報提供があった。これを受けて危害情報室では、同種事故の調査と製品の検証を行った。

◆浴槽用浮き輪とは
浴槽にすっぽり入る大きさのほぼ四角い浮き輪の真ん中にパンツ型のシート部分がついており、そこに足を通して座った状態で浮くことができる浮き輪。お風呂用浮き輪やバスフロートなどいろいろな呼称がされているが、ここでは「浴槽用浮き輪」と呼ぶ。

◆お風呂での浮き輪の事故
危害情報システムには、同種の事例が2件寄せられた。なお、医学学会等では、浴槽用浮き輪による溺水事故が9例報告されており、中には死亡した重大な例もあることが今回の調査でわかった。

浴槽用浮き輪の転覆事故の検証
乳幼児のダミー人形を用いた検証では、浮き輪のパンツ部にしっかり乗せ、静かに浮かんでいれば、転覆・転落することはなかった。しかし、乳幼児の身体がしっかりシート部に納まっていないで身を乗り出したような場合や、浴槽の水量が不足気味で乳幼児の足が底につくような場合には、重心が高くなり、後ろにバランスを崩すと転覆・転落する可能性があることが分かった。

◆消費者への注意
<P class=data-p>事故は保護者がほんの少し目を離したすきに起きている。乳幼児を浮き輪に入れたまま一人で浴槽に入れておいてそばを離れたり、親の洗髪等により目を離して使用したりすることは極めて危険であり、死亡事故につながる可能性がある。
<P class=data-p> この商品を乳幼児に用いることは避けるべきと考える。どうしても使う場合は、保護者は絶対に目を離してはいけない。

◆業界への要望
安全のために考案された構造と思われるものがかえって致命的な要因となっている。商品には裏面に注意表示があるが、その内容は一般的なものであり、浴槽における転覆、溺水の危険性は伝わらない。これらの製品についてSTマークの更新を行わないとの通知が社団法人日本玩具協会から既に出されているが、現在でも市場にはSTマーク付の商品が流通されており、これらの製品に対する危険性が消費者には伝わっていない。

以上の点に鑑み、当センターとしては、関係団体および事業者自らが、当該製品の根本的な見直しと消費者への注意喚起を早急に行うことを要望する。

国民生活センターのホームページ

日本玩具協会 STシステム

東京消防庁子どもの事故を防ごう

子どもの事故予防情報センター SAFETY SITE

JFPA子どもの事故予防

くらしの安全情報サイト 幼児の事故防止マニュアル


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