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折りたたみ式ベビーカーの開閉時に乳幼児が手指を挟み、あわや切断という事故

2006年11月、折りたたみ式ベビーカーの開閉時に乳幼児が手指を挟み、あわや切断という事故が2件相次いで寄せられ、国民生活センターが注意情報を公表(2007年4月)した。
一方、現在販売されているベビーカーの多くは、携帯等の利便性を図るため折りたたみ式のものがほとんどである。
フレームが交差する構造などを有する折りたたみ可動部分は、手指挟み等の危害を招きやすい部分であるが、もっぱら使用者に対する注意・警告表示により危害防止が図られ、製品自体の対策はあまり積極的に講じられてこなかった。一方、折りたたみ可動部分での危害事例を見ると、危険を回避できない乳幼児が手指をあわや切断するなどの重篤な事故が発生していることから、可能な限り製品自体の安全対策が必要と考えられる。

そこで、ベビー用品店や大型スーパーなどでみかける、折りたたみ式ベビーカーの中から、フレームの構造や組み立てや折りたたみ方法の違いなどにより8社9銘柄をテスト対象に、危険を回避できない乳幼児にとってどのような構造が手指挟みを防止できるのか、また挟まれたときの傷害の程度を軽減させることができるのか模擬指を使って調べるとともに、操作方法や注意表示などについても調べ、消費者に情報提供することとした。

主な調査結果
アンケート調査結果
折りたたみ式ベビーカーの開閉時における乳幼児の手指挟み事故の実情を知るため、使用実態や開閉時に乳幼児の手指を挟んだ経験などについて、幼稚園児のいる家庭などを対象にアンケートを行った(回答数:248名)。
・開閉時に乳幼児が手指を挟み、「内出血」や「擦り傷」を負った経験のある人は全体の8%もいた。
・全体の27%の人がベビーカーの折りたたみ可動部分の危険性を認識しないで開閉操作していた。
・折りたたみ式ベビーカーの使用頻度は全体の86%の人が週に2〜3日以上と高く、半数以上の人が乳幼児がベビーカーに触れる近さにいる状況で開閉操作をしていた。

テスト結果
折りたたみ可動部分の構造や操作方法、ロック機能、注意表示についてどのような安全対策が施されているのか調査した結果、以下のことがわかった

(構造)
乳幼児が手指を挟む可能性のある可動部分については、手指を挟みにくくする及び万が一手指を挟んでも傷害の程度を軽減するためには、次のような構造が考えられた。
・手指が入らないようにカバーを付ける。
・閉じたときのすき間を手指より大きくあける。
・局所的に大きな力が集中しないようにする(写真1参照)。
・交差するフレームの断面を丸い形状にする。
・交差するフレーム同士が密着しないようにスペースを設ける。

(操作方法やロック機能)
・開閉の手間がかかるが、操作する人が手指挟みの危険を察知したとき、折りたたみを停止できるよう、手順を追って操作する構造にする。
使用中にロック機能が外れて、折りたたまれることがないように、容易に外れないロック構造にする。

(注意表示)
・操作する人がひと目で手指を挟む可能性のある可動部分を認知できるようにするなどの
消費者へのアドバイス
・部分的に手指挟み防止のための安全対策を施したものがあるので購入の際に参考にするとよい。
開閉中は絶対に乳幼児にベビーカーを触れさせない。また、不意に折りたたまれる事故防止のため、組み立て後はロックがかかっていることを確認し、使用中も折りたたみのロックボタン等に触れないように注意する。


業界への要望
全国ベビー&シルバー用品連合会は、国民生活センターによる2007年4月の要望に対し、安全対策を協議中であるが、次のことを改めて要望する。
・ベビーカーは、乳幼児をそばにおいて開閉操作がなされている実情がある。折りたたみ可動部分に手指が入らない、完全に閉じない、または万が一挟んでも手指に局所的に大きな力が加わらないなどの工夫をして、折りたたみ可動部分の安全性をより高めるような改善を要望する。

・使用中、不意にベビーカーが折りたたまれることのないようにするなどロック機能の改善を要望する。
・操作する人がひと目で手指を挟む可能性のある可動部分を認知できるようにするなどの注意表示の対策や注意喚起の徹底を要望する。
・現状では、折りたたみ可動部分の安全性を評価する方法や基準はない。折りたたみ可動部分の安全性を高めるような基準作りが必要と考えられる。


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