妊娠・出産・育児

スリングを使った抱っこの方法には、赤ちゃんの月齢やママとの密着度の違いでいくつかのバリエーションがあります。
その中からママと赤ちゃんにあった抱き方を選んでください。
*抱き方の呼び名にはいくつかの種類があります。

【新生児期の抱っこ】
ベビースリングについて股関節脱臼を誘発する危険性が指摘されています。
新生児期から生後３ヶ月未満の赤ちゃんに使用するときに、「よこ抱き」や「バナナ抱き」のように赤ちゃんの下肢を伸展した形で使用すると、赤ちゃんの自然な足の形である『Ｍ字型』を保てず股関節脱臼を誘発する肢位になり危険であります。
そのため、生後３ヶ月未満の赤ちゃんにスリングを使用する場合、赤ちゃんの自然な股関節の形になるよう「正しい」使用法をする必要があります。
日本ベビースリング協会では新生児期から生後3ヶ月児のスリングでの抱き方について日本小児股関節研究会と協議を重ねられています。
まだ検討の段階ではありますが、股関節研究会および日本ベビースリング協会が推奨する基本抱きについて説明します。

【基本抱き】
新生児期から3ヶ月くらいまでの股関節脱臼しやすい時期の赤ちゃんを抱っこするには、「コアラ抱っこ」が有効です。
通常、赤ちゃんを横（水平）に抱くように指導されますが、赤ちゃんの股関節のためには下のイラストのように赤ちゃんをたてて抱き、股関節を十分開かせて下さい。
この時、赤ちゃんの体全体は左右どちらかに傾き、抱っこする人の上腕部に体を預けているようになります。
この「コアラ抱っこ」をスリングですると下のイラストのようになります。この抱き方を「新生児の基本抱き」（寄り添い抱き）と呼びます。
赤ちゃんの脚は十分開脚します（正面図参照）。3ヶ月健診で股関節に異常がない、特に硬くないと診断されたら、その他の抱き方も試してみて下さい。

【抱っこのバリエーション】
◆アラ抱き・寄り添い抱き
新生児から。
首がすわっていない時期はリングと反対側に体全体から頭を傾けてレールに寄りかかるようにするとより赤ちゃんへの負担が軽減されます。
「新生児の基本抱き」とも呼びます。赤ちゃんがスリングに深く腰掛け、お腹の前や腰骨の付近に座る。
◆横抱き
３か月健診で股関節に異常がない、硬くないと診断された赤ちゃん。
0〜3か月まではこの抱き方をしません。
ポーチをハンモックのように使用する。
◆たて抱き
新生児から。
首がすわっていない時期はリングと反対側に体全体から頭を傾けてレールに寄りかかるようにするとより赤ちゃんへの負担が軽減されます。
赤ちゃんがあぐらを組んだ状態でスリングに座り、使用者側を向く。
赤ちゃんの脚がスリングより出ない抱き方。
◆腰抱き（ヒップ抱き）
赤ちゃんは、抱く人の腰骨辺りをはさむようにして座ります。
赤ちゃんの背中側の布をしっかり引き上げてあげると安定感があります。
◆カンガルー抱き
腰がすわってから。
赤ちゃんがあぐらを組んだ状態でスリングに座り、前方方向に抱っこする。


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